【短編】赤馬の王子様


「何処行くの!」

「………」

…やっぱりさっきのは、言い過ぎた?
怒ってる…?

「…さっきはゴメン…なさい。」

「………」

返事してよ…

私…大和くんの事信じていいの…?

「…泣くなよ。」

え…?うわ…涙が溢れてくる…

「…わた…ッし…」

「………うん」

「性格…ッび…人、でッ…も、ない…ッし、大和…くんの…探してる女のコ…ッとは…多分…ッ違う…けど。」

優しくて、一生懸命で、
私の、真っ暗な毎日に、光を当ててくれる人…

「好きになっても…いいですか…?」

「ま……~じぃ~でぇ~?
 子供は男女の双子ちゃんにしよぉ!」

「だから、違うって!
そこが1番ないわ…」

「そっかぁ…」

「いや…だから、他の子にするなら、今のうちに…」

「頑張れって言ったのは、奈畄ちゃんだよ…?」

目がくらむくらい

世界がキラキラしてる!

「追試…間に合う?」

「うん…ギリギリ!」

「行ってらっしゃ――…い」

グイィッ

「のちゅう…成功!」

だからなのかな…

今、一瞬真っ赤な馬に

乗った王子様が見えた…ような…

…END…