つねられた頬に触れながら、「あの時」がいつだったかをぼんやりと思い出した。部活の合宿の時、晴香が思いつめていた時のことだと気がついた。あの時は、数日前ぐらいから様子がおかしいと思っていたけれども、そのうち解決するかなと思ってみていた時だ。
あの時。
昼飯の時もあんまり食べず、気がついたらいないから、おかしいなと思って早めに練習部屋に行ったら、携帯見ながら「帰る」とか言っていたんだっけ。
ぼんやり考えていたら、首筋に冷たい感触が走った。
「うわっっ」
「ビックリした?」
ぼんやり考えごとをしているのが見えたから、驚かせようと思った、と晴香が笑って言った。
「喉乾いたでしょ?たまには気が利くんだな、私。」
自慢げな顔をしながら、自販機で買ったお茶を渡してくれた。
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
隣に座った晴香が、お茶を一口飲んで、目の前の桜の木を見上げていた。
あの時。
昼飯の時もあんまり食べず、気がついたらいないから、おかしいなと思って早めに練習部屋に行ったら、携帯見ながら「帰る」とか言っていたんだっけ。
ぼんやり考えていたら、首筋に冷たい感触が走った。
「うわっっ」
「ビックリした?」
ぼんやり考えごとをしているのが見えたから、驚かせようと思った、と晴香が笑って言った。
「喉乾いたでしょ?たまには気が利くんだな、私。」
自慢げな顔をしながら、自販機で買ったお茶を渡してくれた。
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
隣に座った晴香が、お茶を一口飲んで、目の前の桜の木を見上げていた。

