…ちっ、沈黙、コワ・・・!!
・・・あや、やや、謝っちゃおうかな!!
遼平君の静かな気配は
顔も見えない暗闇に溶けて
繋いだ手の先にいる人は、
ちゃんと彼の姿をしてるだろうか。
内心、冷や汗だらだらで
自分の言葉を後悔していた頃、
遼平君が思い出したように、口を開いた。
「亮介と、何かあった?」
言われてぎゅっと、
つないだ手に力を込めた。
だけど結局、肯定するように
溜息と一緒にその手を緩める。
「・・・亮介、学校に来てないみたい。
家に行っても会えないし。
遼平君に一度話を聞いてみてもらえたら、
って、思うんだけど・・・。」
うかがうように顔をのぞきこむと、
暗闇の中でも彼がニッコリとするのがわかった。
「そっか、わかった。
今度、帰ったときに聞いてみるよ。」
「ありがとう。」
私も彼に見えるように
ニッコリと笑いかけながら、
さっきはしゃいだ気持ちを、
懐かしく思っていた。


