琴子は、すぐ下の弟の幼なじみだ。 僕にとっても、イトコにあたる。 昔からずっと、二人を見てきた。 子供の頃からやんちゃで 周囲の手を焼かせてばかりの亮介が、 おねえさんぶった琴子の前では、 ふくれっ面をしながら大人しくなる。 それをずっと 微笑ましいと、眺めていた。 最近では 誰もが持てあまし気味の 亮介にとって 琴子は唯一変わらない、 かけがえのない存在なのだと思う。 見てればわかる。 見てるだけで、よかった。