「あーーやっぱ、おもしれぇ。

やっぱ、コトコだ。

ほんっといっつも、
言うことマトはずれなくせにさ、

見当違いの所から跳ね返ってきて

マトの裏側ど真ん中にあてちゃうっつーか。

なんつーの?ブーメラン?」


「・・・ほんと亮介の例えって、

なに言ってるかわかんないなあ・・・。」


「わかれよ!!ちょー的確だって!!

お前こそすぐハナシ飛ぶの、どーにかしろよ!!」


そんなことを立て続けに叫んでから、

亮介は嬉しそうな顔のまま、
意味もなくグッパーする自分の手を見つめて続けた。



ぜんっぜん、ちっげぇよ!!って思うのに、

同時に「あれ?俺、そう言って欲しかったんだっけ?」って思っちゃうの。

すっげえなあ。


そういうことを恥ずかしがったりせずに

自然に言っちゃうのが、
可愛いよなあ、この子は。

なんて思いながら、
私は制服のポケットをごそごそと探る。

「そんなキミに、プレゼントをしんぜよう」

もったいぶった言い方で、
ポケットからありったけの飴を取り出して、

亮介の膝の上にばらまいた。


「どーも。ってお前、まだこれ持ってんの?」


亮介は全部拾って、
無造作に自分のポケットにしまいながら、

珍しく素直に一個、包みを破く。


「とけて袋にくっついてんだけど。」

「・・・ずっと入れっぱなしだったからねえ。」


飴玉は包みの中で、
一度とけて変形して、また固まっていた。

・・・夏頃から持ってたからなあ。