めくをデパートに置いてきてしまった。


「麗香、そこで待ってろ!」


「え?あ、うん」


めくは意地っ張りだけど寂しがりやだ。一人にしておいたら、きっとめくは泣く。


俺はデパートに向かって走りだした。


めくの携帯に電話をかけた。


『おかけになった電話は電源が入っていないか、電波の届かない…』


「くそっ」


とにかく走った。