抱きしめられている事だけあって、今は佐藤君の顔が見えない。 ねぇ、佐藤君…。 今どんな顔をしてるの? 私は今…あなたの顔が見たいんです…。 私は自分から佐藤君との間に距離をつくり、そっと佐藤君の顔を覗きこんだ。 佐藤君の顔は、どこか寂しそうな顔だった。 傷付けたかもしれない…。 嫌われたかもしれない…。