と言うか、恥ずかしくて名前で呼ぶなんて事恐れ多くて呼ぶ事が出来なかった。 実を言うと、佐藤君と呼べるようになったのも付き合って一週間後ぐらいだったし それまでは“佐藤さん”と呼んでいたほどなのだ。 だから、自分の中では佐藤君と呼べるようになったのは大きな進歩とと言っても過言ではない。 それに、佐藤君と呼ぶのが私には精一杯。 「ん、蒼って呼んでみて―…」 『絶対に無理です!』 佐藤君の言葉に自分の言葉を覆いかぶせる。