俺の言うとおりに左手を差し出した舞の薬指に俺は安物の指輪をはめる。 『蒼君…これ…』 確かめるようにジッとその指輪を見つめる舞。 「初デートのお祝い。一応婚約指輪?」 そんなたいしたものではない。 「安物だけど…」 本当に安物なんだ。 それなのに舞は目に涙をためていて今にも泣きだしそうだ。