教室に着き、

天王寺くんが視界に入る。



うっ…気まずい。


「おはよー風香ちゃんっ」

軽く手をあげ、

あたしに挨拶をする天王寺くん。




え…?



「お、おはよう…きっ、昨日はほんとごめん」

反射的に、

こんな言葉しか言えなかったあたし。


絶対色々と変だよ、あたし!!



すると、

天王寺くんはふわっと笑みを浮かべ、

「そんな。気にすることないって。それよりも、あの後ダッシュで逃げられたの悲しかったなー!」

と、

頬を掻きながら言った。


ああ…

気分がドンヨリしてくる。


やっぱりこういうのはマイナス思考にしかなれない。


「ごめん…」


あたしは深々と頭を下げた。



「風香ちゃん、結構気にするタイプだよね。今日の放課後、どっか遊び行こーよ?遊んでくれたら俺も嬉しいな!!」


ニコニコしながら、

手を差し伸べる天王寺くん。



でも…

放課後、か。



正直、

颯とトークをしたかった気持ちがあったけど、

昨日のことを
ここぞとばかり挽回しようと思い、

誘いを受け入れた。



「わ、わかった…」

天王寺くんの手に手を重ねながら、

そう約束をした。



「よかった!じゃあまた後でな!」

ニッと笑う天王寺くん。

初めて見た気がする…



爽やかだなぁ。