僕と再婚して下さい。

そもそも、彩さんの存在自体忘れていた。

もう二度と会うことはないと思っていたし。


「──平田彩。今度は忘れないでよ」


彩さんは苦笑いを浮かべていた。


平田彩さん。

彼女とは離婚後に知り合った。

と言っても、やましいことは何一つない。


出会いは、この居酒屋さんだった。

ドイツと飲んでいたら、声をかけられた。

『一緒に飲まない?』って。

要は逆ナンをされたのだ。


彩さんも友達連れだった。

同僚が『どっちも美人じゃん!』と、テンションを上げていたことは、覚えている。