すると、はあーっと溜め息を吐いて。 「お前は、どうしたい?」 椅子から立っているあたしを見上げた。 あたし…? どうしたいんだろう? …分かんない。 「…付き合った事がないから… ……わかんない…」 狼に脅える獲物みたいに 声が小さくなりつつも、そう答えた。 『そ、っか』と言って 再び立ち上がった有澤くん。 あたしの目の前にあった 机の上に腰を下ろすと 「のぞみはどんな事がしたい?」 優しい口調で聞いてくれた。