まぁ確かに。 口数は少ないし、 普段誰とも会話してない。 会話してるのを見たことがない。 今日だって、教材運んだ時に 何も話してないし、話せなかった。 あたしが単に怒りにまかせて 運んだだけだから、っていうのが 本当の理由なんだけどね。 「ごめん、行ってくる」 美佳にそう言って、慌てて教室を出た。 「行ってらぁ~」 と美佳のスローペースの声が背中に聞こえた。 はぁ…。 昨日と同じ感覚だ。 早歩きしても、遠く感じる。 化学室も、有澤くんも。