あたしは、有澤くんのどこが

好きなんだろう?



分かんない…。




きっかけは有澤くんの寝顔だったけど

それは外見的なものであって。




中身、まだ知らないんだ。


有澤くんのこと、一つも。





「どこ?」


「………分かりません」



少し苛つかせてしまったと思ったけど

俯きながら正直に本音を吐いた。





「分かんない、か」




有澤くんは、また一つ

小さなため息を吐いた。