ガチャ…。

あたしは暗い家の玄関を開けた。



ただいまなんて言わない。

誰もいないのをわかっているからだ。




暗い静かな部屋に1人。
こんなのもう慣れた。


どうせ母親は男の家にでも行っているんだろう。

リビングに入るとブランドのバックやアクセが散っていた。




「ははっ…。やっぱりあたしはあいつの娘なんだ。」

あたしは1人で呟くと散らかっている物をゴミ箱に捨てた。