今度は振り返らず、涙に引きとめられもせずに家を出た。 涙…。 変な男だったなぁ… あたしはそんな事を考えながら寒い真冬の外を歩き回った。 もうすぐクリスマスが近付いているせいか、所々の一軒家は綺麗にイルミネーションが施されている。 冬は好き。 でも雪は嫌い。 雪をみるとすごく惨めになるから。 あんな真っ白になれたら… そんな事を無意識に考えてしまう自分が嫌だった。