がちゃっとリビングのドアを開けると男はスーツのまんま机に突っ伏して寝息をたてていた。

机の上にはまだ淹れたてであろうコーヒーが置いてあった。



すーすーと寝息をたてて寝る男は子供のようで…

あたしはじっとその顔を見つめた。



長い睫毛に整いすぎた顔。

真っ黒な髪の毛はさらさらでつい手を伸ばしたくなった。

綺麗…。
あたしは不覚にもそう思ってしまったんだ。



あたしはベッドの近くにあったブランケットをかけると、ビクッと男の肩が動いた。


「あ、出たんだ。」

目をこすりながら男はむくりと起き上がった。