男はガチャガチャと鍵を開けるとあたしを中にいれてくれた。


「……お邪魔します。」

無理矢理連れてこられたそこは、生活感のない部屋だった。



全体はモノクロで統一されていて、大きなベッドとソファーやテーブルがあるだけで綺麗に片付いていた。


あたしはどこに座ればいいのか戸惑いつつテーブルの横の床に座った。


雨で濡れた服が冷えて身体が冷え切っていたあたしはぶるっと身震いをした。



「風呂入ってこい。服は洗っとく。」


男は洗面所らしきところから出てくると白い大きなバスタオルをあたしに渡した。


「…あたしべつに「いいから早く」


断ろうとしたあたしの言葉を遮るように男は言うとあたしの手を引いてお風呂場へ連れてきた。


「服乾かないから、俺のスウェットで我慢しろよ」


男はグレーのスウェットを置くと、さっさとお風呂場を出て行った。