マンションのエントランスに入ると、ホテルのような広さがあたしを出迎えた。




暗めの赤がベースのソファーは綺麗に並べてあり、壁にあるお洒落なライトの下にはサンスベリアが置いてあった。

床は大理石というのだろうか。


普通のマンションとはかけ離れた綺麗さだった。



あたしはエレベーターに向かって歩いて行く男を見失わないように着いて行った。



エレベーターに入ってもどちらも口を開かず、ポーンという階に着く音だけが響いた。


30階…。

あたしは止まったエレベーターから出た。