あたしは仕方なく重い腰を持ち上げた


ただ抵抗して疲れるよりはこの男について行くのが利口だと考えたからだ。



だが疲れ切った身体はまともに立てるわけもなくフラフラと座り込んでしまった

「お前立てねぇの?」

男はあたしをじっと見下ろした。



あたしは下から精一杯睨みながら言った。


「立てない。だから放っておいていいよ」


あたしはもう立つ事も話す事も面倒になり再び目を閉じて壁にもたれかかった。




するといきなり膝裏と背中に手が入ってきた。


あたしの頭は一気に停止し、お姫様抱っこされている事を理解するのに時間がかかった。




「ちょっと!おろしてよ!」



あたしは重たい手足をばたつかせ降ろしてもらおうと必死だった。