あたしはあの時、未希は和香の気持ちをわかってあげてない、最低な人だと思ってた。 ………でも、それは違った。 未希は、中体連で勝ちたかったんだ。 勝ちたい気持ちが、誰よりも強かったんだ。 強すぎて、和香には、両手いっぱい広げても、受け止めきれないくらいに、それくらいに、強かったんだ。 「……どうしよう、ウチ…和香に、あんな酷いこと……っ」 未希の涙は止まらなかった。 そして、あたしの涙も、堪えきれずに溢れ出した。