廊下に響き渡る美凪の叫び声。
迷惑になってる、なんて、今はそんなこと考えられない。
「…はあ? 知らな」
冷たく言う未希。
「っじゃあウチは、今まで未希の何に頼ってたの!? 部長と副部長っていう、みんなをまとめる立場に、ウチらいたからでしょ!? 未希はバスケが好きで、まとめられるほどの力があるからでしょ!?」
「だから知らねーよんなこと。副部長とか、なった覚えないし」
それでもまだ、未希の口調は冷たい。
「……あんなに張り切ってたの誰よ…っ、中体連は絶対勝ってやるって、拳つくって熱い目してたのは、どこの誰よ……っ!!!」
美凪の声は震えていて、あたしはそっと美凪を見た。
「…っ、」
そこには、普段全く泣かなかったのに、ぼろぼろと大粒の涙をこぼす美凪がいた。



