同棲生活·2

「あの人、自分がモテること知ってて、計算して動いてるんですよ!」


バーン!

りかちゃんは、机の上を音を立てて両手で叩いていた。

残業前に休憩していた男性社員が一斉に注目した。



「やだ…っ」

りかちゃんは、我に返ったらしく慌てて席から立ち上がり、事務所から出て行った。


「どうしたんだよ?」

斜め前席の亮二が聞いてきた。

「あーっ。大したことことじゃないの」

そう言って苦笑いするしかなかった。




あんなヒステリックなりかちゃん見たの初めてだなぁ。

そんなこと思いながら、あたしは帰り道を歩く。