あたしと笹原さんは、ロッカールームを肩を並べて出て行く。

少し前なら、ギスギスしてただろうけど今は何ともない。

亮二のことを狙ってる説が打ち消されたからだろう。

廊下を歩いていると、女性社員2人とすれ違う。

すると、笹原さんの方をちらりと見て何か話しているのが分かった。

その瞬間、あたしはカチンときた。
そして、いても立ってもいられずに、「ちょっと!」と、女性社員に声をかけていた。

「何?」

2人が振り返る。

「今、笹原さんのこと何か言ってませんでした?」

「はぁ? 何も言ってないわよ。うざっ」

「嘘だ! 」