えっ? そうだったの?
まーったく記憶にございませんが....。

「もう、亮二なんか嫌い! とか言いながらも、あんたしっかり佐伯に抱きついて帰って行ったし」

「う......嘘だー!」

「嘘じゃないってば。マスターに聞いてみたら?」

あかねがケラケラ笑っている。

あたし何やっているんだろう?

浮気された彼氏に抱きつくとかわけ分かんない行動取るなんて。

自分で自分が情けないと感じた瞬間ベスト3には入るね。

「あっ。ごめん。予鈴が鳴ってる。もうそろそろ仕事始まるから切るね」

「うん。分かった」

「マスターの店に7時くらいでいい?」

「はーい。了解!」