「寺原さんは、元カレと一緒だろうが今カレと一緒だろうが、お構いなしって感じだよね。少しは気を遣うべきよ」

「樹里はそいうの無理だよ。変な神経使わせて疲れさせるだけだから」

「でも亮二はしんどくない?」

「そりやぁ、落合さんが現れた時は不安だったけど、樹里はその気ないこと分かってるし」


そして、多分、落合さんもその気はない…と思う。


「亮二って寛大なのね」

「樹里を信じてる。それだけの話だよ」

「それって本音?」

「本音だけど」

「そうかな? 怪しいな~」


瑠衣がオレの顔を覗きこむ。


「今度、お酒飲ませて本音の本音を探ってもいい?」

「酒で本音暴露は卑怯だな」

「ねぇねぇ。今週の金曜日飲み行かない?」

「おいっ。マジで飲ませる気か?」


オレは苦笑いをした。