朝の駅。
サラリーマンや学生の足は、忙しない。
私は、その波にのまれないように
することだけで精一杯だ。
階段を駆け上がり、改札をくぐり抜けて
ホームに向かう。
そして、定位置に立ち、虚ろな表情で電
車を待つ。
しばらくすると、電車がやって来るわけ
なのだが、満員にも関わらず無理やり乗
り込もうとする者や駆け込み乗車をする
者があとを絶たない。
乗るのも大変なのだが、
乗ってからも大変なのだ。
何せ、人が多い。
年季の入ったおじさんの体臭。
周りの見えないおばさんの香水。
この二つが出逢った時に織り成される
臭いは、とんでもないのだ。
それに耐えることは、
尋常じゃない所業なのである。
そんな所業が私の日常生活に
なりつつあるのだ。
通勤・通学ラッシュから解放されても
私に休まる時なんてない。
そう、私には………
