同じお空で

決して触れ合うことのないはずの二人…


太陽さんと

お月様…


だけど
お月様は知ってしまいました…


太陽さんがあたたかく
自分を見つめてる事を…


お話しをした事もない
お月様の姿を

太陽さんが見てしまった時…


一目で
お月様を好きになってしまったのです


それからの太陽さんは
お月様と逢える
朝と…夕方…
お空が真っ赤になる程
愛の炎が燃え上がるように
なってしまったのです


でも…太陽さんは
照れ屋で何も言えず
想いをつのらせるばかりで…


時には雲さんにかくれたり


涙を流して
雨を降らせる事もありました…


太陽さんの涙でできた雨雲さんは
あまりに寂しそうな太陽さんを見かねて

ある晩

お月様に
太陽さんの気持ちを
伝えてあげたのです


太陽さんの気持ちを
知ってしまった
お月様…


実はお月様も
太陽さんに
密かな恋心を抱いていたのです…


でも…
お月様も
太陽さんも
二人とも照れ屋さん…


近寄っては離れ

離れては近寄り…


一向に二人の距離は縮まりません…


雨雲さんは
二人を何とかしてあげたいと思案しました…


“う~ん…”


その時


ピーン!


そうだ、橋を架けてあげよう♪

運命ならきっと逢えるはず…

だから僕が橋をかけてあげるんだ


ある日の夕方
雨雲さんは
突然雨を降らせはじめました…


太陽さんもお月様もびっくりです


“どうしたんだい?”

“どうしたの??”


二人は雨雲さんに問いかけますが、わき目もふらず一気に雨を降らせると
ダーッと走り去って行ってしまいました…


二人が驚いた目で
雨雲さんの走り去ったあとを見ていると…

なんと!

橋がかかってくるではありませんか


しかもその橋は

太陽さんとお月様の
気持ちが高まるように
七色に染められているのです


太陽さんは思いました


“なんて素晴らしい橋だろう…
この橋を渡れば…お月様に気持ちを伝えられるかもしれない…!”


お月様も思いました


“あぁ…素敵な橋…
この橋の向こうに行けば…太陽さんに逢えるわ♪”