“あのね

あのね

あっくんはぽっぷんころんがだ~~いすきなの”


あっくんはキラキラした目でパパに話しかけます

大好きなパパがお休みの日はぴったりくっついて離れません

ずっとお話ししています


“ぽっぷんころん?”


パパは何の事かわからなくてあっくんにききかえしました


“あのね

ちっちゃくってね

まるっこくてね

ぼこぼこでね

やわらかいけどね

たま~にかたいのがあるの

あっくんはかたいのキライだよ”


あっくんは一生懸命説明しますがパパは全然わかりません


“おもちゃかな?

アニメとかぁ~

それとも食べ物?”


パパはあっくんに聞いてみました


“うん
たべるのだよ”


あっくんは大きくうなずいて返事をしました


“どんな色?

味は甘いの?

お菓子かな?”


いくつもいっしょに聞かれるとちいさなあっくんの頭の中はいっぱいになっちゃいます


“んとね…

あのね…

えっと~

しろいのや~

ちゃいろいの…

ピンクもあるよ”


パパはさっぱりわかんなくなって


“そっか
チョコレートか”


っと、適当な答えを言ってしまいました


“ちがうよ

ちがうよ~~”


あっくんはとうとう泣き出してしまいました

パパがなだめようと慌てていると


“ポップコーンの事よね~

あっくん”


と、お台所から戻ってきたママが優しく言ってくれました

あっくんは泣きながらママにとびつき、抱っこされながら‘コクコク’とうなずきました

パパは


“そっか~

ポップコーンか

ゴメン、ゴメン”


と苦笑いお浮かべてあやまっていました

あっくんはママのエプロンで涙をふきふきしてもらいながら


『やっぱりぽっぷんころんより

ママが一番大好き』


と思っていたのでした



     おしまい