死神と騎士

門に着くと、人がごった返していた。

門番が門を固く閉ざし、守っている。

「通せ」

アルが声を上げると、人垣が崩れ、道が出来た。

門番までもが気圧された様に立ちすくんでいる。

「通せ」

少し声を荒らげると、ギギィ、と軋んだ音をたてながら門が開き始めた。

―――――聞こえる。それは戦士たちのざわめき。

ぶつかり合う剣、擦れ合う鎧の音。

鬨の声。

それらが交じり合って、音を作る。

(戦場の音だ)

アルは思いつつ、ゆっくりと歩き出す。

吹き荒れる風に、アルの黒髪がかき乱される。

砂塵に姿が霞んだ、その一瞬。

アルは、戦場を駆け抜ける、一陣の風となった。



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