死神と騎士



そういえば昼がまだだった、と思いつつ歩く。


「あ、そこの騎士さん。聖都名物、サンドイッチはどうだい?」

呼び止める声に、足を止める。

いつもなら断るところだが、腹が減っていたこともあって、

「じゃあ、2つお願いします。」

「まいどぉ。」

渡された茶色い紙袋は熱を持って暖かった。

別に2つという数字に他意はない。

ただ、ただ……ちょっとお世話になってしまったから、借りを返すということで……なんて考えていたアルの背中に手がかかる。


いつもの癖で勢いよく振り返り、剣に手をかけ後ろに飛び退ろうとして……やめた。

「なんだ、ロイか……。」

「なんだ、って酷くないか?」

ちょっと不貞腐れたようにロイは言う。

意外に子供っぽいところもあるんだな、と苦笑しつつ、悪い、と謝った。

「って、そうじゃなくて!!」

急に耳元で大きい声を出され、図らずもびくっ、としてしまう。

「アル!てめぇはまた……。動くなって言ったばっかりだろう!?」

「……。ロイには関係ないこと。」

「ふ〜ん……」

そう言いながらロイは傷口を包帯の上からつつっとなぞった。

途端、ズキリと痛みが走り、思わず声を漏らしてしまう。

その反応を見たロイの瞳がすっと細められ、ひやりと冷たい視線がアルを射抜いた。

「関係ない……だと?」

ロイが唸る。