死神と騎士

っ、ロイの奴め……。

ロイがいなくなった後、アルはベッドの上に身体を投げ出した。

さっきのロイは、いつもの姿からは想像できないほどの光を目に映していた。

怒り……?いや、怒りというより、あれは……恐れ、に近いものだっただろうか。

しかし、私の怪我にどうしてロイが怒る必要があるのだろうか。

いくら考えても答えは出ず、アルはついにこの問題を放棄する事にした。

アルはロイが巻いてくれた包帯を見て、溜息をついた。

エレファリア家ただ一人の愛娘として育てられたアルは、怪我一つとっても満足に治療することが出来ない。

それを、悔しく思った。

「もっと勉強しておけば良かったなぁ……。」

小さく呟き、立ち上がる。

そういえばロイがあまり動くなと言っていたな、と思いつつ宿を出た。