はじめてを、君と。【完】


「っ、はあーーーっ⁈⁈」

ファミレスの人たちの視線が一斉にこちらに向く。

「ちょ、英恵うるさいっ!!」

「これが静かにしてられるか!
は?まだあんたたちシてないの?
はー?」

もうそれは早口でまくし立てる。

黙っていれば可愛いのに非常に残念だ。
残念すぎる。

「し、してないよ…」

でもこれは事実だ。
私は彼氏である洸と、その、いわゆる
"えっち"ってやつを経験したことがない。

「ちょっと待ってよ。
だってあんたたち付き合ってどのくらい経つ?」

う、この質問つらい。

「…もうすぐ、10ヶ月、です。」

かれこれ1年ほど、私と洸の間に
"キス以上"は存在しない。

もともと洸とは中学のころからの友だちで、去年の洸の誕生日、私からの告白で晴れて恋人同士となったのだ。

キス以上がないことも、最初の半年は
大切にされてるんだ
って感動したし嬉しかった。

でも、今は…


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