はじめてを、君と。【完】


***************
「あっはっはっはっはっは!!」

案の定というか何というか。

姉貴は俺の話に手を叩いて笑っている。

「はあ〜、年上のおねーさん片っ端から喰ってたあんたが10ヶ月も禁欲生活してるの!その夕美ちゃんにベタ惚れね〜」

目に涙を浮かべたまま、姉貴は失礼な事を言ってくる。

禁欲とか、したくてしてないし。

「可愛すぎてできない、とかあんたの口から聞くとは思わなかったわー!
あっはっはっは!」

何この姉貴、超うざい。
言わなきゃよかったよ。

「ねーちゃんって、初めていつなの。」

「何それ!姉貴にそんな事きくの⁈」

まあぶっちゃけ姉貴の性事情なんて1ミリも興味ないけど、参考までに聞きたいというのが本心だ。

「あたしはね〜、高1の冬休み?
何となく寄った彼の家だわ!普通に!」

何となく?普通に?

「え、何かの記念日とかじゃなく?」

俺の目からウロコだ。

「記念日?何あんたロマンチストね。
普通に普通の木曜日よ。あれ?金曜だったかもしれないけど!」

何?え?日にちも覚えてないの?
女の初めてって記念に残るものじゃないの?

「あたしは気にしないけど〜その夕美ちゃんって子はちょっと気にするかもね!
でもまあやっぱ肝心なのは相手じゃない?」

相手…。俺?俺でいいのか?

「ちなみにねーちゃん相手、誰。」

「ん?拓也。」

へえ…拓也…。へえ、
「っ、て、は⁈」

拓也?拓也さん?旦那じゃん!

「あたし拓也としかしたことないし」

まじで。まじかよ。
相手超重要じゃん。
え、ほんとに俺でいいの?

「手、出す勇気、出た?」

でるわけない。むしろ頭が真っ白だ。



.