屯所に戻った斎藤は、
陽凪に部屋に戻るよう促し、
1人土方の部屋に向かっていた。

斎「…副長、お伝えしたき事が。」

土「斎藤か。入れ。」

部屋に入ると土方がいつものように
机に向かっていた。
よる遅くまで書き物をしている事が
多い事を知っている斎藤は、
そんな土方を少し心配している。

斎「先程の巡察で、
和泉を狙う者と斬り合いになりました。」

土「…あいつをか。」

斎「…はい。
そいつ等に和泉かと問われたとき、
あいつは何時になく怯えていました。」

確かにあのときのあいつの様子は
おかしかった。
いつもなら何の躊躇もせずに
人を殺める和泉が、
今日、名を問われただけで、
明らかに動揺していた。