「…おい、お前、名はなんという。」

「…人に名を尋ねるときは、
自分から名乗るのが礼儀だろ。」

━━━━ !?
陽凪の予想外の言葉に
その場にいた全員が陽凪を睨む。

「ねぇあんたさぁ。
自分の立場わかってんの?」

陽凪と同い年くらいの男が
話しかけてきた。

「まぁまぁ、平助落ち着きなさい。
確かにこの子のいう事も一理ある。
俺の名前は近藤勇、
壬生浪士組の局長だ。
歳たちも名乗りなさい。」


「…ったく、近藤さんはよぉ。
土方歳三、副長だ。」

こいつ、案外綺麗な顔立ちだな。
ったく、あからさまに敵視してる。

「山南敬助、総長です。」

一見笑っている様に見えるが
眼鏡の奥に覗く瞳は陽凪を敵と
疑っているようだ。

「新選組一番隊組長、沖田総司です。」

ニコニコとわらっているが、
こいつも私と一緒で本心を隠している
と思った。

「二番隊組長、永倉新八っ!」
「十番隊組長、原田左之助だ。」
「八番隊組長、藤堂平助だぜ。」

この三人、うるさい。
三人揃ってうるさいから、
三馬鹿と呼ぼう。

「………三番隊組長、斎藤一だ。」

真面目そう。
明らかに敵意満々だし…

「…新選組六番隊組長、井上源三郎だよ」
この人は優しそう。