「はぁぁぁぁ。今日も何も無しだね。」

「…おぃ、何も起きない事は
良いことだぞ。」


少し茶色がかった髪を後ろで軽く結び
気怠そうな表情の男と
漆黒の髪の毛を横に束ねている
寡黙そうな男は
浅葱色の羽織をなびかせながら
夜の京を警護していた。

「そういえば、
最近京に出没している人斬りの事
一君知ってる?」

「………あぁ、一応な。」

「僕会ってみたいんですよね〜。
そいつ、敵だと思います?」

「………さぁな。
…………敵ならば、斬るだけだ。」

「…くははっ!流石一君。」