まさかと思いテレビを必死でみていた。
するとそこにはずっと思い続けた人の名前があった。
-Sakura.japanese Exchange student died -
「さくら 日本人交換留学生 死亡」
「嘘だ…さくらが死ぬはずない」
テレビの前で生きる希望を失った。
それから食事も喉を通らず、引きこもるようになっていた。
立ち上がろうとした時何かが足に当たった。
「痛っ」
そこには茶色の箱があった。
開けてみると一通の手紙があった。
さくらに空港でもらった手紙、読まずにしまってあったことを思い出した。
さくらのことを思い出すのが辛かったから読まないでおこうと思ったがなぜだかいつのまにか手紙を開いていた。
「この手紙を読んでるのはいつごろかな?
私がいなくて寂しいでしょ?(笑)
本当はアメリカなんか行かないでもっと一緒に居たかったなあ。
電話もメールもやり足らないよー。
今までずっと待ってたのになかなかゆってくれなかったよね(-_-)ー“好きだよ″って。
本当鈍感なのか照れ屋なのかわからないよね。
ま、でもそんなとこ含めて好きだよ?
ハンカチから始まって色んなこと話して色んなとこいってすごく楽しかった。
もっと一緒にいたいってこんなに強く思ったの初めてだよ?ありがとうね。
私が日本に帰ってきたらプロポーズしてよね(笑)あとステイ先の電話番号書いとくね、寂しくなったらかけてきてね。声ききたいし。
0369******
アメリカでもずっと想ってるからね。好きだよ。じゃあまた1年後ね」
手紙を読み終わった頃には涙で手紙が濡れていた。
なぜもっと早く手紙をみなかったのか、
電話をかけて“好き″と伝えていたら…
結局彼女に自分の想いを伝えることができなかった自分を何度も責めた。
「ごめん、さくら…好きだ…」
外の空気を吸おうと思いドアを開けると
さくらと出会った日のように
強く雨の降る夜だった。
ー完ー


