「だから、琴音!!」
私は必死の思いで叫んだ。
「…は?」
しかし、琴音から発せられる声はやはり冷たいまま。
「…私は、華の仇をとるの。
彼女を殺したヤツに復讐するのよ…!!」
「…そんなこと、華が望んで……」
「うるさい!!!
黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れぇ!!」
琴音は、ポケットからナイフを取り出す。
「…っ!」
そして、じりじりと、私に近づく。
流石に恐怖が高まり、後ずさりをするが、壁に当たる。
琴音との距離が1メートルに達しようとしたとき、逃げようと足を走らせた。
が、琴音は私の襟元を掴み、ものすごく力で床に叩き付けた。
そのうえに、ナイフを持った琴音が乗る。
身動きが、できない。
恐怖で、動けない。
「…ふ…ふふ…、ふは、は、あははは……」
琴音は不気味な笑顔を向け、ナイフを強く握る。
「はは……。はあ、そうだ。
最後に、いいこと教えるわ。
パセリの花言葉、知ってる…?」
「…パセリ?」
「ゴメン、難しかったね。
正解は…―――、
『死の前兆』、なのよ」
そうか。だから、パセリを置いたのか。
「…ふ。ふふ。あぁ、パセリは今回で終わりね」
琴音は、ナイフを両手で持ち、腕を振りあげる。
「さあ!彼女の為に殺してあげる!!
死になさい!河原 美菜ぁ!!!」
琴音のナイフが勢いをつけて落下してくる。
「…あ"ぁ"ッ"!!」
ナイフが私の腹に突き刺さる。
激痛が私を襲い、大量の血が溢れる。
「は、はっ、あははははははははははははははははははははははははははははははははははあははははははははははははははははははははは」
琴音は何度も、何度も私を刺す。
さらに脇腹を、胸を……何十回も刺される。
勢いずける度、真っ赤な血飛沫が舞う。
もう、痛みも何も感じない。
ただ、私を殺していく琴音を、薄れゆく意識の中、見ていた。
高笑いする琴音は、返り血で真っ赤に染まる。
嗚呼……。
こんなことで、私は生を終わらせるのか。
しょうがないのかな。
私がいけなかったのか。
私が、華に何もしなかったから。
だから私は死んだ。
自業自得か。当然だ。
だって、私たちは、彼女を、殺したのだから。
そんなことを考えているうちに、瞼は閉じ始める。
最後に聞いたのは、琴音の高笑い。
最後に見たのは、私の血に染まる真っ赤な琴音の姿。
「…はあ、はあっ……」
また、これで、1人死んだ。
あと、半分とちょっと。
「待ってて、華。
もう少しだから、あと少しであなたの死を、みんなが、懺悔しに行くから……」

