ティアラは竜王族にまつわる物だと私は死ぬ直前のディモンドに聞いた。
私は、ティアラを見つけなくちゃいけない。
ディモンドも本当はそれを望んでいたはずだから。
逃げろ、なんて本当は心の奥底では思っていなかったはずだから。
だけど今の私に見つけることなんて出来るのだろうか。
あの時の何もかも信じて疑わなかったような綺麗な心が今もまだ残っているとは思えない。
ティアラは本当に心の綺麗な人にしか見つけられないのだろうか。
そうだとしたら、どうしてそんな人しか見つけられないようにしたのだろうか。
ティアラの力を私は知らない。恐らく殆どの人がその存在すらも知らないのだろう。


![A CHEMIST‘S PANIC [短]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.762/img/book/genre9.png)