ここにいる誰しもがこの先に待ち受けているであろう死よりも恐ろしい何かを思い恐怖に慄き、暗く狭い箱の中引き離され目の前で殺された家族をこれが止まるまで思い続けていた。 だけど、私は信じていた。 「逃げられる」ことではない。 「助けが今、来る」ことでもない。 「敵に打ち勝てる」ことでもなく。 ただ、命がある。ということだけを。 どんな形であれ生きているということを。