視界の真ん中に拘束を逃れたあの国王が何かを投げた体制で固まっていた。 DDが王に襲い掛かり、我に返った兵たちが王を捕らえようとしている間に私の体は地に倒れた。 この傷は、この穴は・・・。魔法でも治すことのできないもの。 懐かしい。 ディモンドの牙だ。 彼の抜かれた牙はやはりこの王が持っていたのだ。 牙でできた矢は鋭く、私の胸をしっかりと貫いていた。 母さまやディモンドのいる天に召されるのも悪くはない。