「まぁまぁ。落ち着け・・・濱崎、姉頼めるか?」
どうしたものか、と思案した結果
先生の視線が止まり選んだのは、紅寧だった。
「え、なんで?」
「お前、生徒会役員だろ?転校生と案内するのも、生徒会の仕事だろ?」
「私、無理。ほかの用事があるから」
相手は先生なのに、冷たく言い放つ。
相変わらず、怖いもの知らずだ。
それなら、と先生の目が蒼生君をとらえるが
蒼生君も面倒くさそうに顔を顰め、そっぽを向いた。
それに対して、先生は大きくため息を吐く。
よし。これはチャンスかもしれない。
私は、意を決して手を挙げてみた。
「先生。私が案内しましょうか?」
「月ノ瀬、いいのか?」
「姫?」
「姫ちゃん?」

