その日から、私は月に一度
満月の日に洞窟を訪れ、千景に力を注ぐことになった。
満月の日に決めたのは、零士の提案。
その日がヴァンパイアの力を最大限に引き出せるから、だそう。
確かに、満月の日はヴァンパイアの凶暴さも増す。
どうしようもなく、血が欲しくなってしまう。
冬夜は、満月になる前に私の血を求めてくる。
彼が言うには、夢中になりすぎて吸い過ぎるかもしれないかららしい。
だから、満月に私が居なくても大丈夫なはず。
実家に行くと言えば、冬夜も許してくれるだろう。
力の制御については、満月ではなく
別の日から、徐々に慣らしていくようで
紫貴に意識を飛ばした状態でも、教えられるという事で
学園内で教えて貰えることになった。
「ただし、冬夜達にはバレないようにしろ。」
「分かった。」
なんだか、それが一番難しいような気がする。
とにかく気を付けよう。

