この状況がいつまで続くのか。
先行きが見えなくて、深いため息を吐く。
しかし、このままいつまでも魔界に居るわけにはいかない。
学園の行事もあるし、もうすぐ夏休みも終わる。
生徒会全員がココにいては、学校側が機能しない。
ヒロを連れて、一度帰ろうか。
そんなことを考えていると、奥の廊下から白夜が現れ
ツカツカと靴を鳴らして近づいてくる。
「おう。ちょうど良かった。桐の坊、皆を集めてリビングに来てくれ。」
「その呼び方は・・・もう、いいや。白夜さん、冬夜もですか?」
「あぁ。あいつも、そろそろ真実を知らねばならんからの。」
「真実、ですか?」
「じゃ、頼んだぞ。」
それだけ言うと、白夜は足早にその場から離れた。
白夜も、この1週間かなり慌ただしい日々を過ごしているようだ。
城の修復は勿論の事、千景の良いように変えられたヴァンパイア界を
元の秩序あるものに戻すため、奔走している。
恐らく寝る暇もないほどに。
本当に凄い人だと、改めて思う。

