「冬夜、夕飯持ってきた。」
「いらない。」
「お前、あれから何も口にしてないだろ。ちゃんと食べないと、お前の身が・・・。」
「うるさい。瑞姫が何も食べていないのに、俺だけが食べてどうする。」
「瑞姫ちゃんが目覚めた時、お前が倒れていたら悲しむのは彼女だぞ。」
「・・・・・・。」
颯斗のもっともな意見に、冬夜は目を伏せ
そして静かに眠る瑞姫に目を向けた。
「分かった。そこのテーブルに置いてくれ。」
「ちゃんと後で食べろよ。」
「あぁ。」
短くそう答えた時だった。
ベッドで眠っていた瑞姫が、苦しそうに眉を顰め
うなされる様に、それでいて渇きを訴える様に声を漏らした。
「うっ・・・ぁ・・・」
「瑞姫?」
「瑞姫ちゃん?」