叫びと共に手の中に集中した力を放出する。
最初は丸い形をしたそれは
次第に細長く変形し、最終的には三日月の形になり
風の壁を切り裂いた。
冬夜達は、白夜が力を放出した瞬間動き
壁を切り裂いたと同時に、中へ入って行った。
先頭から、ヒロ、蒼生、紅寧、颯斗、冬夜の順番に。
「ぐぐぐ・・・あ゛ぁ」
凄まじい風と焼けつくような痛みが身体を襲う。
ヴァンパイアの治癒の力が追いつかない程に、切り裂かれ皮膚が爛れていく。
そして、5秒もしないうちにヒロが脱落し
次に先頭に立った紅寧も直ぐに離脱した。
「姫ぇぇっ!!」
「蒼生、もういい。離脱しろっ」
「嫌だ。俺は・・・俺は・・・」
「蒼生。俺が必ず瑞姫を連れて帰るから、信じて待ってろ。」
「・・・・・・冬夜先輩、必ずですよ。」
「あぁ、任せろ。」

