紅寧の重みが無くなり、ゆっくりと瓦礫を持ち上げ

這い出てくる蒼生。

そして、3人から少し離れた場所で

颯斗が肩についた埃を払う様に何度か服を叩き

近づいてきていた。



あの力は何だ・・・学園で起きた時とはまるで違う。

全てを飲み込むような、無に還すような・・・

恐ろしい力。

しかも、あれは始まりに過ぎない。

あの中心は・・・瑞姫ちゃんが居るあの場所はどうなっているんだ?

ここからじゃ、嵐のような風が渦巻いていて

中の様子が分からない。

彼女は無事なのか?

しかもあの渦は、徐々に拡大しているみたいだ。

まさか、本当にこの世界を飲み込んでしまうまで止まらないのか?




「よう、桐の坊。生きていたか。」

「・・・その呼び方、やめてくださいよ。」

「いいではないか。いつも冬夜と共に、咲耶を困らせておったではないか。」

「いつの話してるんですか。それよりも瑞姫ちゃんの事でココに来たのでしょう?」

「フッ・・・お前は、聡くて助かるよ。実はな・・・」