「ありがとう、姫。やっぱり俺、姫の事だ~い好き。」

「あーっ!!誰の許可とって、姫ちゃんに抱きついてんのよっ!」

「あ゛ぁ?月ノ瀬は、お前のもんじゃねーだろ?」

「いいじゃない、これくらい。ねぇ、姫?」

「よくなーいっ!私も抱きつきたーい」




えぇ?!そっち?!

ヒロが冷静な突っ込みをいれるも、私は赤と青の瞳の双子に

抱きつかれてしまった。



でも、なんだか温かい。

体温はひんやりとしているけれど、みんなの気持ちが凄く嬉しくて温かい。

少し離れて、呆れた顔をきているヒロでさえ

凄く温かな目をして私達を見ているし。




「なに感傷に浸っているの?みんな、準備はいいのかな?」




パンパンッと手を叩きながら、部屋に入ってきた颯斗さん。

だけどそんなのお構いなしに

紅寧さんと蒼生君は私に抱きついたままだ。

そんな二人にため息を吐きつつ、私の目の前に立つ颯斗さん。




「準備は、いい?瑞姫ちゃん」

「・・・はいっ。」

「よし、じゃ行こうか。魔界へ」