冬夜の態度に、ちょっと納得いかないけど

まぁ、深く考えていても仕方ない。



それよりも、これから先の事を考えていかなくちゃ。

問題は山積みなんだもん。



不意に隣に座っていた冬夜に肩を抱き寄せられ

頭を彼の肩に乗せた。

冬夜から仄かに香る花の匂い。

どこか懐かしくて、安心する。



目を閉じて、身を任せていると

優しくて大きな手が私の頭を撫でる。

それが心地よくて、だんだん微睡に身を任せ意識を手放した。




「瑞姫・・・お前は、今のままのお前で居てくれればいい。」

「あら我慢強いのね、王子。」

「煩い。今まで待ったんだ、今更急いだりしないさ。」

「それより、大丈夫なの。二人で魔界に行くなんて。」

「・・・あぁ。颯斗、後は頼んだぞ。」

「・・・・・・分かった。」




微妙な間が、冬夜と颯斗の間で流れ

その瞬間颯斗は彼が考えていることを察知し頷いた。